この記事の結論
- NetEase520でANANTAの新発表はなかった(これは事実としてマイナス)
- ただし決算説明会では新作パイプラインとして言及されており、開発停止の根拠にはならない
- いま重要なのは「PV待ち」ではなく、“次に動く公式導線”を押さえて待てる状態を作ること
- とくに注目すべき第一関門は、8月のNetEase決算である
NetEase520にANANTAの名前はなかった
NetEaseの年次発表イベント NetEase Games 520 Online Conference 2026 では、無限大ANANTAに関する新発表はなかった。
2026年のNetEase520は、5月20日19時30分から開催され、40本規模のタイトルが扱われたイベントである。事前に報じられた参加タイトル一覧には『夢幻西遊』『逆水寒』『燕雲十六声』『マーベル・ライバルズ』『七日世界』『遺忘之海』などが並んでいたが、そこにANANTAの名前は確認できなかった。
イベント終了後、中国メディアでもANANTAの不在は取り上げられている。17173は、40本以上のゲームが登場した一方で、都市型オープンワールド新作『无限大』は最初から最後まで登場しなかったと報じている。
この結果だけを見れば、待機勢にとっては肩透かしである。
ただし、ここで見るべきなのは**「発表がなかった」という一点だけではない**。
大事なのは、ANANTAが今どの公式導線に残っていて、次にどこが動けば新情報につながるのかである。
発表なしはマイナス材料。ただし、開発停止の根拠ではない
NetEase520に出なかったことは、ポジティブな材料ではない。
少なくとも、2026年5月20日の時点で、NetEaseがANANTAを大々的に表へ出す段階ではなかったことを意味する。もしβテスト募集/正式な発売時期/新PVをこのタイミングで出す準備があったなら、NetEase520はかなり自然な発表場所だった。
一方で、発表なしをそのまま開発停止と見るのは早い。
NetEaseの2026年第1四半期決算では、全体売上が306億元、ゲームおよび関連付加価値サービスの売上が257億元となっており、ゲーム事業は依然として同社の中心である。既存タイトルでは『Fantasy Westward Journey』シリーズ、『Identity V』『Eggy Party』『Sword of Justice』『Where Winds Meet』などが挙げられ、グローバル展開では『Where Winds Meet』や『Marvel Rivals』の国際展開も強調されている。
さらに、決算説明会のトランスクリプトでは、新作パイプラインとしてSea of RemnantsとAnantaが言及され、ローンチへ向けて進行中と説明されている。加えて、Goldman Sachsのアナリストからは、ANANTAがオープンワールド系ジャンルの競争の中でどう差別化するのかという質問も出ている。
つまり、
NetEase520には出なかった。
しかし、決算説明会の文脈では、ANANTAはまだ新作パイプラインとして扱われている。
この二つは分けて見る必要がある。
ANANTAの現在地は「映像発表待ち」ではなく“実装密度待ち”
ANANTAは、単にアニメ調のオープンワールドRPGとして見られているタイトルではない。
公式発表では、高自由度の都市型オープンワールドRPGとして紹介されており、プレイヤーは多様なキャラクターになりきり、商業地区から路地裏まで探索し、都市を舞台に仲間と出会う作品として説明されている。TGS2025出展発表でも、日本では初となるプレイアブル体験の提供が明記されていた。
2025年9月に公開された公式ゲームプレイトレーラーでは、ANANTAはPC、PlayStation 5、モバイル向けに展開予定の基本プレイ無料RPGとして紹介された。さらに、賑やかなビジネス街から隠れた路地裏まで探索できること、日常的な都市体験、屋内外のインタラクション、屋上・中層・地上階の三層構造なども示されている。
ここから分かるのは、ANANTAの勝負どころが単なる戦闘映像の派手さではないということだ。
今後の新情報で見るべきなのは、新キャラが何人出るか、必殺技がどれだけ派手か、という一点ではない。
本当に見るべきなのは、“都市生活として遊べる密度がどこまで見えるか”である。
- 屋内施設にどれだけ入れるのか
- NPCとの関係がどこまで続くのか
- 街中イベントは一度きりの演出なのか/日常的に起きる仕組みなのか
- キャラクター切り替えは操作変更なのか/都市生活や任務に意味を持つのか
ANANTAが他のオープンワールド作品と差別化できるかどうかは、この部分にかかっている。
次に見るべき公式導線は4つある
ここから先は「次の発表を当てる」ではなく、発表がない期間でも迷子にならない“観測リスト”を作るパートとなる。
1)公式サイト/事前登録ページ
ANANTA公式サイトには、現在も事前登録導線と最新情報の購読フォームが設置されている。対応プラットフォームとしてPS5、PC、Apple、Android、PlayStation関連の表示も確認できる。
大型発表の前には、いきなりPVが出るだけではなく、公式サイト側の構成が先に変わることがある。見るべき箇所は、以下の通り。
- 事前登録特典
- 対応プラットフォーム表記
- ニュース欄
- 動画配置
- テスト応募ページの有無
特にβテストが近い場合、公式サイトや各種SNSアカウントにて応募導線が告知される可能性がある。事前登録ページに変化が出た場合、それはSNS投稿よりも早いサインになることがある。
2)公式ニュース/動画欄(更新の“種類”)
ANANTA公式サイトには、ゲームプレイ映像やトレーラーへの導線が残っている。現時点で目立つ公式映像は、2025年9月に公開されたゲームプレイ動画とゲームプレイトレーラーである。
次に公式ニュースが更新される場合、見るべきなのは内容の種類である。
- 季節イラストなのか
- 開発者ノートなのか
- イベント出展なのか
- βテスト募集なのか
- それとも新しい長尺ゲームプレイ映像なのか
情報の重みは、それぞれまったく違う。
季節投稿=生存確認寄り/開発者ノート=方向性の説明/β募集や長尺映像=次段階へ進むサインになる。
3)次に最も注目すべきは、8月のNetEase決算
今後の観測点として、最も重要なのは次回のNetEase決算である。
ANANTAはこれまで、大きな動きの前に決算説明会で何らかの言及が出る傾向があった。
ゲームタイトルを『Project MUGEN』から『無限大ANANTA』へ切り替える直前のNetEase 2024年第3四半期決算説明会では、Project MUGENについて地域限定のオフライン技術テストを近く行う方針が示されていた。その後、2024年12月5日に新名称と最新トレーラーが正式発表され、2025年1月3日には中国・杭州でオフラインテクニカルテストが実施される流れとなった。
さらに、2025年8月14日のNetEase第2四半期決算説明会のあと、9月にはTGS2025への出展が正式発表された。NetEase公式IRにも2025年第2四半期決算説明会は2025年8月14日に実施された記録が残っており、ANANTA公式発表ではTGS2025で日本初のプレイアブル体験を提供すると案内されていた。
この流れを踏まえると、次回決算はかなり重要な観測点になる。
現時点で、NetEaseの次回決算は2026年8月13日予定とされている。時期としてもTGS直前にあたるため、去年と同じように、決算説明会でANANTAに関する何らかの言及が出る可能性は十分にある。
もちろん、決算で名前が出たからといって、必ずβテストや新PVが近いとは限らない。
ただし、見るべきポイントははっきりしている。
- 「順調に進行中」という程度の表現に留まるのか
- 「今後数か月以内に新情報を出す」といった言い方になるのか
- 「テスト」「プレイヤー向け公開」「イベント出展」「ローンチ準備」といった具体的な単語が出るのか
この違いによって、次の動きの近さはかなり変わってくる。
特に2026年8月決算は、単なる業績確認ではなく、TGS前の前振りとして見る価値がある。
もしここでANANTAへの言及が薄ければ、TGSでの大きな展開も慎重に見たほうがいい。逆に、決算説明会でANANTAについて具体的な表現が出た場合は、TGSやその前後で新PV、試遊、βテスト関連の発表が来る可能性が一段上がる。
現時点で最も現実的な見方は、8月決算を第一関門、TGS前後を第二関門として見ることである。
NetEase520で発表がなかった今、次に見るべき場所は公式SNSの突発投稿だけではない。むしろ、過去の流れを踏まえるなら、決算説明会の言葉こそ最初に確認すべきサインである。
4)大型ゲームイベント(PVより“試遊”が強い)
ANANTAはTGS2025で試遊出展済みのタイトルである。公式発表では、ブース内に試遊PCが設置され、ストーリーモードと探索モードの2種類が体験できると説明されていた。ストーリーモードでは新啓市を舞台にしたカーチェイス、探索モードでは商業エリアから路地裏までの探索が用意されていた。
この実績があるため、ANANTAは映像だけでなく、プレイアブル出展との相性が高い。
NetEase520に出なかった以上、次に注目すべきは、外部イベントでの再登場である。
とくに見るべきなのは、単なるPV公開ではなく、試遊の有無だ。
- 試遊がある:開発は少なくともユーザーに触らせる段階まで来ている
- 試遊がなく映像だけ:まだ見せ方を調整している段階の可能性
- 出展自体がない:発表タイミングはさらに後ろへずれる
同じ発表でも、PV、開発者コメント、試遊、β募集では意味が違う。
ANANTAの場合、最も大きな前進はβテスト募集、次に試遊出展、その次に長尺ゲームプレイ映像である。
現時点の見立て(まとめ)
NetEase520で新発表がなかったことは、素直に見ればマイナス材料である。
少なくとも、2026年5月時点で大規模な宣伝フェーズに入ったとは言いにくい。
ただし、決算説明会ではANANTAが新作パイプラインとして扱われており、公式サイトの事前登録導線も残っている。TGS2025では日本向けにプレイアブル出展も行われていた。これらを合わせると、現時点で言えるのは、開発停止ではなく、次の発表タイミングがまだ表に出ていない状態である。
次に見るべきは、派手な噂ではない。
公式サイト、公式ニュース、決算説明会、大型イベント。この4つである。
カオス・レポートでは、今後も公式情報を中心に、ANANTAの次の動きを追っていきます。情報が動いたときに、何が本当に新しいのか分かるよう、引き続き整理していきます。
